2年ぶりに生きた「タコブネ」が入館したので、今日からへんな生きもの研究所で展示を始めました。
今回展示したのは、殻の長径4cmほどの個体。
成長すると殻径は9cmほどになるそうですから、これはまだ若い個体でしょうか。
タコブネはタコの仲間ですが殻を持っています(メスだけ)。それもオウムガイのようにしっかりとしたものではなく、薄い殻。殻の内部はオウムガイの殻のような仕切りはありません。
暖海の表層付近を漂って生活する、と言われますが、詳しい習性については、まだよくわかっていないようです。三重県沿岸では10月頃に採集されることが多いので、季節的な回遊(あるいは死滅回遊)をするかもしれません。
タコブネの第一腕はダンボの耳のような膜状になっていて、ここから分泌するカルシウム成分で殻を形成します。
状態が良いと、この第一腕で殻全体を覆っているので、パッと見ただけでは、殻を背負っているようには見えないかも知れません。
なかなか興味深いタコですが、飼育はかなり難しい…
これまでに水槽展示は5回ほどおこなっていますが、いずれも短期間(1週間ほど)で死亡しているので、興味のある方はお急ぎ下さい!
【飼育研究部 森滝丈也】
残念ながら先程(10月15日午前)に斃死しました。