日本産のヤドリスナギンチャク類は5、6種程度しか確認されていないため、これも正体不明。
現在、標本を提供して研究者に調べてもらっています。
さて。
今回はこのヤドリスナギンチャクではなく、宿主であるアラレナガニシの話題です。
今朝、このアラレナガニシがいつもと違う奇妙な行動をしていることに気が付きました。
こんな姿、初めて見ました。
腹足の前端が二股になることも初めて知りました。スプリットタンみたい…体を大きくねじりつつ、二股になった腹足でスナギンチャクをしごいている…ように見えます。
ヤドリスナギンチャクをケアしているのか?あるいは取り除こうとしている?
しばらく見ているうちに奇妙な行動は終了し、いつもの姿に…
腹足は伸縮するので、時によって二股になるものと思われます。
あぁ、筋肉がどう配置しているのか知りたい…
そして…おそらくこれはヤドリスナギンチャクをケアする行動ではないか?と思い至りました。
と言うのも、実は、以前からずっと不思議に思っていたのですが、ヤドリスナギンチャクはいつもアラレナガニシの貝殻の端の方(周囲)だけに共生しているのです。
理由はずっと分からなかったのですが、アラレナガニシの腹足が届く場所を選択してヤドリスナギンチャクが付着すると考えたら、合点がいきます。
もしかしたら私たちが想像する以上にこの貝とヤドリスナギンチャクは密接な関係を築いているかもしれない…
そう考えるだけでワクワクしてきます(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】