人気者のカエルアンコウ。へんな生きもの研究所で展示中です。
…が、今回はこの魚の話ではなく、その体に見られるコブの話。
水族館で展示される個体は県内で採集されたものですが、そのほとんどにこんなコブがたくさんついています。
こいつの存在に気が付いていても、正体を知らない人は多いのではないでしょうか。
実はこれは寄生虫なのです。出た…寄生虫ネタ(笑)
最近、私の日記はパラサイトネタが続きますね。
こいつはSarcotaces sp.(サルコタケス)という寄生性カイアシ類(橈脚類・コペポーダ)の一種なのです。
ドングリの様な形をして皮下に寄生しているのが、メス。一見するだけではコペポーダだとはわからないほど変形しています。
展示のこのカエルアンコウなんて腹側にかなり集中しています。
こんなに寄生されて邪魔じゃないのか?と心配になってしまうほどですが、多くのカエルアンコウにとってはこれが「普通」の状態なのかも。
寄生虫なんて気持ち悪い~と思われた方はごめんなさい。
でも、彼らも生態系を構成する大切な命のひとつ。その習性や進化を考えれば、私なんかにとっては気持ち悪いと言うよりも興味深い存在に思えてくるのです。
【飼育研究部 森滝丈也】