熊野灘の深海底引き網で採集された深海の珍ウニ、ヘンゲブンブク科のHeterobrissus niasicus Döderlein,1901(和名なし)が水族館に搬入されました。
今シーズン2回目。
本種は主にフィリピン近海に分布し、日本近海における正式な分布記録は報告されていません。ただし、熊野灘海では1年に1回ほどは採集されているので、確実に三重県(熊野灘)には生息していることになると思われます。
今年の1月にも採集されました。https://aquarium.co.jp/diary/archives/14219
日本国内における確実な最初の採集記録は、2014年2月。これは鳥羽水族館に搬入されました。
2例目は同じ年の10月。愛知県の竹島水族館で展示されました。
そして2015年1月に採れた個体は、再び鳥羽水族館へ。
そして今回の個体。
これで公式記録としては4例目となります。
特に今回の個体はこれまでの3個体に比べて格段に小型であることが興味深いですね。
私の太い指と比較してみましたが、殻長は7㎝ほどしかありません(これまでの個体は12㎝以上)。
まだ若い個体なのでしょう。ちなみに前回の3例目個体は成熟した雌でした。
かなり、かっこいい深海の珍ウニです。
へんな生きもの研究所で展示中です。あまり長くは展示できないと思いますので、お早目にご覧ください!
夕方、様子を見に行くと…さっそく排便していました。かわいい!
前回よりも長く飼育できれば良いですね。