全国のシダムシ好きのみなさん、こんにちは!
先日の火曜日、いつもお世話になっている甚昇丸さんにお世話になり、久しぶりの沖合底引き網生物採集に出かけてきました。採取場所は尾鷲沖合い。期待が高まる海域です。
生体展示ができそうな生物はボチボチでしたが、個人的に嬉しい生物がいくつか。ひとつは先月新種記載されたばかりのカンムリシダムシDendrogaster jinshomaruae(甚昇丸に献名)!2匹見つけましたよ。
シダムシはヒトデの体腔内に寄生する甲殻類で、身近な生物だとフジツボの仲間に比較的近縁です(甲殻類には見えませんが)。
カンムリシダムシはカンムリヒトデの細い腕の中にひそんでいます。
腕の中では、こんな風に↓ギュウギュウに縮こまっていますが
取り出して少し放置するとシダ状の外套を伸ばしてきます。
シダムシが寄生しても特にヒトデの生存に関わる影響は(ひとまず)なさそうで、どうやら(ある程度までは)一緒に成長していくようです。
ところで実は、シダムシの本体はメスだということはご存じでしょうか?枝分かれした外套の中に卵と一緒に小さなオス(矮雄)が多数隠れています。
今回はちぎれた外套からこぼれ出た卵と一緒にオスが見つかりました。生きたオスを見るのは初めてだったので興奮します(笑)。大きさ0.56㎜ほど。
まだまだ解らないことばかりのシダムシ。興味は尽きません。
【飼育研究部 森滝】