去年の6月、熊野灘の沖合底曳き網でツマグロアオメエソに懸着して吸血中のメダマウオノシラミを1個体採集しました。
これまでに本種の宿主魚類に関する報告はなかったので、本年度の水族館年報で報告しました。興味のある方はそちらも是非ご覧ください。19-2023.pdf (aquarium.co.jp)
そもそもメダマウオノシラミを含むウオノシラミ類(Rocinela)は海産魚の体表に懸着して体液を吸い、満腹状態になると魚体から離れる習性を持ちます。そのため宿主魚類に付着したまま採集される機会自体が少ないようです。
さらに底曳き網で採集されることが多いため、宿主魚類に懸着していても、網の中で揉まれて多くは宿主から離れてしまうようですね。
これまでに採集したメダマウオノシラミは20数匹いますが、今回の個体を除いて全て単体で採集されています。その多くが腹部が膨満していたことから、やはり網の中で魚体から脱落した可能性が高いのでは?と推測しています。
ちなみに、満腹状態のメダマウオノシラミは腹部がとても膨満しており、通常のものと比べて1.5倍ほど体長が伸長しています。
すさまじい大食いです…
【飼育研究部 森滝丈也】