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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

こっそりニハイチュウ

こっそりニハイチュウ

ニハイチュウ類(二胚動物)はタコやイカ類の腎嚢内だけで見つかり、そこで栄養豊富な尿を餌にしている小さな生物です。タコやイカに対して(ヒトにも)特に悪さはしないと考えられています。

体のつくりはとてもシンプルで、多細胞生物でありながら細胞の数は22個程度。一番多い種類でも47個しかありません。体長は数㎜

ただ、生活史は複雑で、普段は腎嚢内で無性的に繁殖していますが、密度が高くなると有性生殖に切り替わり、生まれた幼生は海水中に出て、別の宿主に取り付くようです。

鳥羽水族館は2013年から大阪大学の研究者と一緒に熊野灘のニハイチュウ類を調査していますが、今年は7種のイカ類からニハイチュウの新種が14種も見つかりました。https://doi.org/10.12782/specdiv.27.181(外部リンク)

新種のニハイチュウではありませんが、実は水族館にいるイカ・タコの腎嚢内にもニハイチュウは隠れているんですよ。

マダコにもいます!3種

ミズダコにもいます!2種

アオリイカにもいます!2種

ヒョウモンダコにも…いません!何故か熱帯域のタコにはいないことが多いのです。

コブシメにも1種!…が、このコのように水槽内で孵化、成長した個体からはニハイチュウは見つかりません。

という訳なので、タコやイカにとっては、ニハイチュウはいてもいなくても、どっちでも良い存在なのかもしれません。

【飼育研究部 森滝丈也】

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