12月27日にバイカルアザラシのクチャが死亡しました。19歳でした。バイカルアザラシは自然界でも56歳まで生きた記録があります。鳥羽水族館でも国内飼育記録更新中の推定41歳のナターシャがいます。まだまだ若い個体でした。ご存知の方もいると思いますが、鳥羽水族館で初めて繁殖成功したニコの父親でもあり、これからの繁殖にも期待していて、非常に残念でした。
(幼い時のクチャ)
クチャは、大人しくてグイグイいくタイプではありませんでした。気になるメスを遠くから見ているようなオスでした。
(顔のシワが増えてきた頃)
14歳くらいから急に顔つきが変わり驚いたのを覚えています。顔のシワが増えオスらしくなったと思ったら、繁殖時期にはメスに積極的にアタックしていました。繁殖時期が過ぎると大人しくなり、飼育する側としては、無意味な闘争がなく安心できるオスでした。ニコが産まれた時はどうしても出産した個体、母獣が目立ちますが、「良くぞやった!やればできる子!!!」とクチャを担当者皆で褒めたりもしました。
(シワがくっきり 眼は水晶体前方脱臼の為白くなってしまいましたが見えていました)
死因は、まだ検査結果を待たないとはっきりとしたことはお知らせできません。取り急ぎ、皆様に死亡のお知らせのみです。どうぞ皆様、クチャの冥福を一緒に祈って下さい。
【飼育研究部 あまま】