イッスンボウシウロコムシの生態はまだまだ解明されていないことが多く、例えば、深海で何を食べているかも明らかになっていません。
本種はイソギンチャクと共生するヤドカリから見つかるので(矢印)ヤドカリまたはイソギンチャクの組織の一部をかじっているか、ヤドカリの餌を横取りしている可能性が考えられます。
ちなみに、普段隠れている口吻の先端には鋭い歯があります。
現在、へんな生きもの研究所では№8と№11の2個体(オスの存在は未確認)を飼育していますが、餌(オキアミ)を近くに置くと、№8だけは匂いに誘われるように貝殻から頭を出してきます。それでも、実際に餌を食べる姿を目撃したことはありません。
さて、今朝見ると№8は珍しく貝殻から出ていました。
いつものようにオキアミを近くに置きましたが、しばらくは無反応…。ところがしばらく見ていると、№8はゆっくりとオキアミに近付き、おもむろに嚙みつくと、オキアミを手前に引き寄せたじゃないですか!
一瞬だったので、こんな画像しか撮れませんでしたが、初めて確認したイッスンボウシウロコムシの摂餌行動です。
この行動を見るに、イッスンボウシウロコムシはヤドカリの餌(あるいは落ちている餌)を食べている可能性が高いように思われます。
【飼育研究 森滝丈也】