先日入館したダイオウグソクムシ№31は体長が35cmもある大きなオスで、既に性成熟に達していました。
この№31のように性成熟に達したオスは第2腹肢の内側にメスに精子を挿入するための器官(交尾針)を持ちます。
未成熟個体には交尾針はなく、脱皮(成熟脱皮)して初めて形成されます。
これまでに鳥羽水族館に入館したダイオウグソクムシのオスは30匹(体長16cmの№19から40cm近くあった№9まで)いますが、このうち体長28cm以下の7匹には全て交尾針はありませんでした(未成熟個体)。
体長29cmから32cmの13匹では交尾針を持っている個体が4匹、持たない個体が9匹でしたが、持たない個体のうち、3匹(№5, №13, №23)は飼育途中で脱皮して交尾針が形成されました。
体長33cm以上の10匹は全て交尾針を持った成熟個体でした(画像は№9)。
これらのデータからダイオウグソクムシの成熟サイズはおよそ29cmだと推測できそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】