まずは事の顛末のおさらいから。
➀へんな生きもの研究所でイソギンチャク消失事件が起こる。メスの右ハサミには辛うじてイソギンチャクが1つ残っていたが、オスはなぜか左のハサミ脚にサカサクラゲのエフィラ幼生を持っていた。
➁オスによるイソギンチャク強奪事件が発生。メスから奪ったとおぼしきイソギンチャクを右のハサミ脚で持つオス(左のエフィラは大事に持ったまま)だったが、翌日、オスはイソギンチャクを左に持ち替えた(結果、エフィラは紛失)。
この一連の行動を見て、このオスは左利きのような気がしましたが、どうでしょうか。
そして、先日もキンチャクガニ達に少し変化がありました。
オスにイソギンチャクを奪われ、数日間、何も持っていなかったメスが、2月1日にどこからか調達したイソギンチャク1匹を右ハサミ脚でしっかりつかんでいたのです。
思い返せば、メスはこの顛末の初めから右側のイソギンチャクだけはしっかりと持っていましたし、今回、新たなイソギンチャクをつかんだのも右のハサミ脚。…という事は、メスの方は右利きなのかもしれませんね。引き続き観察・検証していきます。
ちなみにキンチャクガニはエサを食べる時にハサミ脚は使いません。歩脚で抱え込むようにして食べます。この習性はイソギンチャクを持っていない時も変わりません。
【飼育研究部 森滝丈也】