さて。
昨晩、私は宿直でした。水族館にお泊まりです。
で、いつものように館内を見回り開始。まず初めは、サンゴ水槽。
何気なく、そう、ホント何の気無しにのぞいたんです。すると、目の前を横切る、フワフワ漂う粒々。
え?これってサンゴの産卵…?まさか。
少し興奮しながら懐中電灯の光をあてながら探してみると、サンゴではなく、いつもは砂の表面で口盤を広げているイボハタゴイソギンチャクがグーンと立ち上がって、いや伸び上がっているじゃないですか。
そして、口から卵(と思われる)粒々が次々と出てきて、今まさに放卵中。うわ~興奮するなぁ。イボハタゴの産卵なんて初めて見ました。
(ただし、少しタイミングが遅れたようで、先に撮影した動画では放卵の様子が撮影できましたが、続く写真撮影の時点では終わってしまいました。残念。)
なお、この水槽で飼育しているイボハタゴは1個体、おそらく本種は雌雄異体なので受精はしていないはず。…ということで今回は回収はしませんでした。
思いがけず遭遇した生きものの営みに興奮した宿直の夜でした。
【飼育研究部 森滝丈也】