へんな生きもの研究所のアパート水槽2号室にお気に入りのカニがいます。
6月に熊野灘の水深300mで採集したノウイチョウガニです。甲幅3㎝ほど。本種はイチョウガニの仲間で、背面の模様が「脳」に見えることからこの和名が付いたようです。
ちなみにイチョウは胃腸ではなく、植物のイチョウ(銀杏)です。
水深200-300mあたりの砂泥地に生息していますが、底曳き網ではそれほどたくさん採れる種類ではありません。たまに見かける程度ですね。
このカニは海底に沈んだ木のすき間などに隠れる習性があるようで、そういったものを引き揚げると中に隠れていることがあります。水槽の中でも沈木の中に隠れていることが多く、密かにその姿に萌えていましたが…
最近は成長して木の中に隠れることができなくなってしまい、水槽の左端の物陰でじっとしていることが多いようです。少し残念に思っています(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】