ドイツのジュラ紀の地層から産出する「ランブリカリア(Lumbricaria)」と呼ばれる化石があります。
ニョロニョロとしたミミズみたいな形で(手元に画像がないので、各自で検索してみてください)、何かの糞便の化石ではないかと考えられています。
最近、このランブリカリアはオウムガイやアンモナイト類の糞便の化石である可能性が高いという内容の論文が出ました(ノルウェイ人とドイツ人研究者による論文)。形や内容物を調べたようです。
確かに、オウムガイの便とよく似ています。では、実際にオウムガイの糞便は化石化する可能性はあるのでしょうか?オウムガイの便が海底で崩れずにそのまま残るなら化石化する可能性が高いと研究者達は考えているようです。
私も興味があるので観察してみることにしました。
当館ではオウムガイを1匹ずつ隔離して給餌しています。この時、排便することがよくあるので便の回収は簡単です。
昨日、回収したのはパラオオウムガイ№90の便。3日前に与えたキビナゴが消化されたものだと思われます。
ひとまず、これを観察していきます。
それにしても、同じタイミングで排泄された便なのに形や色が様々なのは、不思議です。キビナゴの内臓や皮や筋肉など、オウムガイの消化管内で選別されて排泄されるのでしょうか…
【飼育研究部 森滝丈也】