シダムシ好きの皆さん、こんにちは!(シダムシとはヒトデに寄生する甲殻類の一員です)
2月に新種のシダムシにDendrogaster tobasuii(トバスイ)の学名が付いたことで大きな話題になりましたが、まだまだ学名の付いていない(未記載種)もいます。
こちらのアカヒトデシダムシも実は未記載種(体の幅は約3㎝)。
そのアカヒトデシダムシが3月初旬に孵化しました。
幼生の体長は約0.9mm。1ヶ月ほどでノープリウス幼生からキプリス幼生に変態しました。
この後はヒトデの体内に寄生しなければ成長できません。
実は、シダムシの生態は謎が多く、幼生がどのようにヒトデに寄生するか等、よくわからないことばかり。
そこで、昨日、ひとまずキプリス幼生をアカヒトデと一緒にしてみました。
すると、一緒にしたとたん匂いに反応したようで、キプリス幼生は大喜び!(か、どうかは知りませんが)
2分ほど泳ぎ回っていましたが、すっとアカヒトデの体壁に着陸!
これには感動しました。
そして、逆立ちした格好でモゾモゾ…ヒトデの体壁に潜り込んでいきました。体の半分が潜るのに1時間ほど。
そして、今朝までにすっかりヒトデの体の中に。
残念ながら、この後は観察できません。上手くいけばヒトデの体の中でシダムシの姿に変態すると思われます。
謎に満ちたシダムシの生態が少し明らかになりました。
【飼育研究部 森滝丈也】