現在、へんな生きもの研究所ではウニ(Prionechinus forbesianus )に寄生したヤドリニナの仲間(巻貝)をひっそりと飼育しています(水深300m付近で採集)。久しぶりの展示です。
ウニのからだのつくりは五放射相称なので、管足が生えている場所(歩帯)と生えていない場所(間歩帯)は交互に並んで5つずつあります。これまでの観察からこのヤドリニナはどうやらウニの間歩帯を選択して寄生するようです。きちんと間隔を保って並んでいます。
こちらは2015年に採集した個体ですが、やはり5匹が寄生していました。
同時に採集した個体(画像右)は貝が脱落していますが、ウニの殻に寄生痕が残っているので寄生していた場所(5ヶ所)がはっきりわかります。
と言っても、寄生場所は完全固定というわけではなく、交接(繁殖行動)する際は隣の貝に近づき、そしてまた自分の定位置に戻っていくようです。
ヤドリニナの周囲にある白い粒が卵塊です。
【飼育研究部 森滝丈也】