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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ウチダニチリンヒトデのウロコムシ

先月
先月末に尾鷲沖 水深300mで採集したウチダニチリンヒトデにウロコムシの仲間(多毛類)が付着していました。
さっそく へんな生きもの研究所で展示開始。
ところが、このウチダニチリンヒトデはどうも弱く、水槽に搬入しても、いつも数日で死んでしまいます。
今回のウチダニチリンも…昨日見ると、体が崩れ始めています。
気になるのは体表に付いているウロコムシ…
そこで、ウロコムシをヒトデから取り外し、同じ水槽にいた元気なニチリンヒトデに移動させてみることにしました。
このニチリンヒトデは同じ海域で採集されるよく似たヒトデですが、ウチダニチリンヒトデに比べると若干丈夫で長く飼育できる傾向がありますね。
移動させました。
ところが、ニチリンヒトデの体表にウロコムシを引越しさせてみたものの、不思議なことにウロコムシはヒトデの表面を落ち着きなく動きまわり、最終的にヒトデから離れてしまいます。
よく似たヒトデですが、どうやらウロコムシはニチリンヒトデの方は好まないようです。
再度、ニチリンヒトデにウロコムシを乗せてみました。
そして、しばらくして水槽をのぞいくと…
ウロコムシは少し離れた場所にいたウチダニチリンにしっかり戻っているではないですか!
この間、お互いのヒトデ自体は移動していなかったので、ウロコムシだけが満身創痍の元サヤ、ウチダニチリンヒトデに移動したことになります。
宿主特異性が高いのでしょうか?
傷だらけで死にかけていてもウチダニチリンヒトデが良いようです。
とても興味深い行動です。
ちなみにニチリンヒトデには、こちらのミズムシの仲間が共生しています。
【飼育研究部 森滝丈也】
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