3月の底引き網採集で熊野灘の水深300mから採集した謎の黄色い球体。
現在、へんな生きもの研究所で様子を観察していますが、状態に変化が出てきました。
球体の中身が凝集して球体内部に3つの塊が出現しているような。振ると球体内部で小さな塊はコロコロと動きます。
無性生殖する際、これと似たようなの芽球を体内に作るカイメンの仲間が知られていますが、この謎生物はカイメンなのか?
球体表面はキチン質のような、かなりしっかりとした硬さでカイメンとかなり印象が違うけれど…
今後、球体から小さな球が出てくるのか?観察を続けます。
また、前回の日記でも紹介しましたが、この黄色い球が付着しているツノガイの殻の中にはホシムシが棲んでいます。
先日の底引き網でもツノガイの殻を採集していたので、あらためて確認してみたところ、やはりここにもホシムシの棲息を確認。
おまけに、ホシムシが伸ばした陥入吻先端近くにまたしても私の好きなロクソソマ(内肛動物)が見つかりました!(矢印)
萌える~(笑)
ちなみに、このロクソソマの大きさ(高さ)は0.16mmほど
さらに、よく見ると、今回のツノガイ殻には外肛動物(コケムシ類)がたくさん付着しているじゃないですか!残念ながらほとんど死んでいますが、興味深い!
そして、このツノガイの殻には黄色い球は見つからなかったのですが、その幼体?のようなものが付着していました(矢印)
分からないことばかりですが、このツノガイとその周辺の付着生物だけでしばらく楽しめそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】