2013年8月に鳥羽で採集したカイメンと共生するムシモドキギンチャクの仲間(高さ2mmほど)
しばらくの間へんな生きもの研究所で展示していましたが…消滅。その後は全く採集できずにいました。
採集場所もはっきりしているのに、なぜか見つけたのはその時一度だけ。
研究者から聞くところによれば、本種は小型イソギンチャク(ムシモドキギンチャク科)の未記載種(そろそろ記載論文が出る頃でしょうか)
これまでに神奈川県と新潟県でのみ生息が確認されており、三重県(鳥羽)がどうやら3ヶ所目だとか。
カイメン(こちらも未記載種)とはしっかりと共生関係を築いているそうで、なかなか興味深い生態です。
その後、鳥羽水族館向かいの菅島(名古屋大学の臨海実験所があります)では何度か見つかっていると聞き、なぜこちら側では見つからないのか不思議に思っていました。
(まぁ、それほど熱心に調査していたわけではありませんが)
そんなムシモドキギンチャクですが、今朝、偶然見つけました!
朝の見回りでのらりくらりと観察していて気が付いたのです。
見つけたのは予備水槽のマボヤの根元(このマボヤは先月、水族館の取水口掃除の際に採集したもの)
マボヤは採集後ずっと予備水槽で飼育していましたが、初めて気が付きました。
このカイメン+ムシモドキギンチャクはこんな場所を好むのでしょうか?選択性が高いとしたらそれはそれで興味深いですね。
前回、見つけた個体よりも赤みがかって見えますが、個体差(あるいは餌の影響)でしょう。
ともかく、鳥羽水族館のすぐ目の前にもこのムシモドキギンチャクの仲間が生息していることが明らかになりました。
折りを見て、またへんな生きもの研究所で公開したいと考えています。
【飼育研究部 森滝丈也】