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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

生クロレラをサンゴ水槽に投入しました

現在、へんな生きもの研究所で実施中のクマムシの展示は、それなりにご好評を頂いています(まだまだ見せ方に工夫が必要ですが)

飼育しているのは、飼育法が確立している数少ないクマムシであるヨコヅナクマムシ。

彼女らはかなりの偏食家で生クロレラしか食べません(クロレラは直径2~10ミクロンの単細胞緑藻類)

生クロレラでおなかが緑色に染まって見えます。

この生クロレラは業者から購入しますが、クマムシの餌として使用するのはほんの数滴。

ところが、業者で取り扱っている生クロレラは1リットルが最小サイズで、しかも、冷蔵庫で3週間しか保存が利かないという…

結果、ほとんど使わないまま期限を迎えて破棄することに…(これまでに2回ほど捨てました)

もったいない。

生クロレラは元々、稚仔魚の餌であるワムシの培養用餌料でもありますが、今、鳥羽水族館ではワムシを培養はしていません。

じゃ、どこかで有効利用できないかと考えて、思いつきました!サンゴの餌に使えるのではないでしょうか?

実際、サンゴの餌として生クロレラは有効だと聞きますし。

 

実は、鳥羽水族館のサンゴは調子よく成長していますが、これまでに直接給餌をしたことはほとんどありません(光合成と魚の餌のおこぼれを食べているようです)←ちなみにこのことを他の園館の方に話すと結構驚かれます。

栄養価の高い生クロレラを与えれば、もしかしたら、今まで以上にサンゴが調子よく成長するかもしれません。

これは期待できるか。

そこで、昨日さっそく試してみました。生クロレラを投入すると飼育水がかなり濁るので、投入は閉館後です。

サンゴは昼間は光合成で栄養分を得ていますが、夜になるとポリプ(触手)を伸ばしてプランクトン食になるので、このことからしても夕方の時間帯の投入は理想的。

30tの水槽にひとまず500ccほど投入。

うぉ、思った以上に濁りました…

透明度の極端に悪い海に潜ると、こんな感じでしょうか。

でも、どことなく雰囲気は良いですね。もちろん、この濁りは翌朝にはすっかり無くなるので、ご安心下さい。

さぁ、これで生クロレラも無駄になりません。クマムシもサンゴも状態良く成長すればしめたものです。

【飼育研究部 森滝丈也】

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