母さんグソクムシに抱えられた幼生たちはまだ姿を現しません。
日によっては少しはみ出ている場合もあるのですが、まだまだ母親に依存しているようです。
覆卵葉(育房)も日によって膨らんだり縮んだり…
幼生たちは中で活発に動き回っているようです。
そんなオオグソクムシの観察ついでに他の水槽もじっくりと観察していて、興味深い生きものを発見しました。
ヒドロ虫の仲間(刺胞動物)です。
水槽の底に落ちた基質に群体を作っていました。
同じ水槽の中をよく探してみたのですが、他には見当たりません。
どうやらこの基質だけにしか付着していないようです。
基質は沈木の中のフナクイムシ(貝)か、多毛類の棲管のようです。
基質自体の長さは3センチほどなので、ヒドロ虫の高さは数ミリしかありません。
おそらく深海底引き網で水深300mあたりで採集されて、この水槽内に入り込んだものと思われます。
種類は…よくわかりません。調べてみます。
ウミエラヒドラ科に似ていますが…
このヒドロ虫は、よく見るとポリプ(個虫)の形が少しずつ違っています。
どうやらポリプが機能分化して形態が大きく変化する種類のようです。
ヒドロ虫の仲間では、このようにポリプが機能分化する種類がいくつか知られています。
元々は一つの卵から生まれたものが、無性生殖でポリプの数を増やしつつ機能分化するのです。
興味深い生態ですね。
拡大すると、画像中央あたりにクラゲ芽を持った生殖ポリプが確認できました。
あ、何だかムーミン谷のニョロニョロにも見えてきましたね(笑)