最近、ちょこちょこ飼育日記に書き込んでいるコケムシ(コケムシ動物門)。
1mm以下の小さな個虫が集まって群体をつくる水棲無脊椎動物です。
探せばあちらこちらに多種多様、いろいろな形をしたコケムシが見つかります。
その中でも最近興味があるのが深海性のコケムシ。
つい先日、飼育日記に書き込んだのも深海性のトリノアシ(ウミユリ類)に付着したヤワコケムシの仲間でした。
そして、今回紹介するのは…こちら。
以前も少し紹介したヨロイウミグモの歩脚に付着したコケムシです。
白い石灰質の群体がそれ。円口目のコケムシのようです。
これまであまりコケムシに興味がなかったので、最近少し勉強しています。
コケムシの仲間は、およそ5億年前のカンブリア紀後期に出現し、化石記録から古生代には高い多様性を誇っていた生物群であったことがわかっているそうです。
しかし、古いいタイプのコケムシはほとんどがおよそ2億5000万年前頃、ペルム紀終わりから三畳紀の間に絶滅してしまい、今ではほとんどが新しいグループに置き換わっているそうです。
そんな古いタイプのコケムシ唯一の生き残りが今回紹介する円口目だそうです。
さて、ヨロイウミグモに付着した円口目のコケムシですが、ひっくり返して腹側から見ても…
しっかり付着しています。
でも、どうやら残念ながら既に死んでいるようです。
石灰質の骨格でかろうじて円口類コケムシだと判別できる程度…残念だなぁ。
…と思って、数ヶ月。
それが!今朝の見回り時、水槽内で良い感じの位置にいたヨロイウミグモを もしや…の思いで超マクロモードで接写してみたら…
何と!コケムシが生きているじゃありませんか!ほらほら、パッと可憐な触手冠が開いています!
さらに拡大すると…じゃ~ん
いやぁ、朝からテンションあがるわ~(笑)少なくとも2つの個虫は生きていますね。
種類はこれから調べますが、まずはキレイな姿を見て癒やされました。
気分も良いです。
こんな感じで水族館に搬入される深海生物に付着しているコケムシを見つけるだけで興奮してしまいます(笑)
実際、拡大するとなかなか美しい姿をしているのがわかるので、皆さんも機会があれば観察すると楽しいですよ。