外部サイト移動へのご注意

予約・購入サイト「Webket」に移動します。
よろしいですか?
いいえ

鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オオグソクムシの胚観察

本日お届けするのは、不定期に書き込んでいるオオグソクムシ胚の成長日記です。

 

まず最初の画像は本日(1/29)の胚。

かなり脚(歩脚)の節がはっきりしてきて、ムシっぽくなってきましたが、孵化まではまだまだ日数がかかりそう。

卵黄がかなり残っています。

次の画像は初めて胚を確認した頃で、去年の7/30の胚。

この画像は左側に頭がありますが、よく見ると、既に目ができているのがわかりますよね。うっすらと赤く見えています。

そして脚も既に原形はできあがっているようで、6対あるのがよくわかります(成体の歩脚は7対ですが、幼生は6対)。

このことからすれば、実際に卵が受精したのは発見時の7月よりも少し前だったような気がします。

この半年の間に確かに発生は進んでいるのですが、想像よりもずっとゆっくりとしたペースです。

これじゃ、孵化するのは夏以降になるんじゃ…つまり、オオグソクムシは1年以上かかって孵化するのではないでしょうか。

 

ちょっと面白いことを空想してみました。

たぶん、オオグソクムシの寿命は明らかになっていないはずですが、例えば、同じ仲間のダンゴムシ(オカダンゴムシ)の卵の期間と寿命を比較してみれば、その寿命が推定できるのではないでしょうか…

ダンゴムシは1ヶ月で孵化して寿命は3~5年程度と考えられています。

オオグソクムシが1年(以上)かかって孵化するとするなら、ダンゴムシの12倍。そのまま寿命も12倍になると仮定すれば、36~60年(以上)がオオグソクムシの寿命となります。

もちろん、近縁と言ってもダンゴムシとオオグソクムシは全く違う種類なので単純な比較はできないでしょうが、ひとつの目安にはなるかと思います。

 

同属(Bathynomus属)のダイオウグソクムシも卵の期間や寿命の長さについて全くわかっていないようですが、彼らの動きや生態を見ていると、こちらも寿命はかなり長いんじゃないかという気がしています。

 

Share