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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ウミグモの担卵肢

ウミグモ類は海産の節足動物の1グループで、クモの名が付いていますが、陸上のクモとは異なるグループに属します。画像はヤマトトックリウミグモ(標本)。深海に生息する大型のウミグモで「ヘンな生きもの」の代表格ですね。まるで全てが脚でできているような姿。

ヤマトトックリウミグモを腹側から見ると、頭部には名前の由来になったトックリ型の大きな吻と、3対の付属肢があるのがわかります。ちなみに1番目の歩行肢も頭部から出ていて、2-4番目は胴から出ています。

1)鋏肢 2)触肢 3)担卵肢 

このヤマトトックリウミグモの場合、オスが担卵肢で卵塊を抱えて孵化まで保護します。(メスも担卵肢を持っていますが、卵は抱えません)

よく見るとこの脚、先端がブラシ状になっていますね。担卵肢は卵を保護する以外の用途もあるようです。

実は、先ほど宿直の巡回で、ヤマトトックリウミグモが全身の手入れをしているところに出くわしたのです。

担卵肢の先端を巻き付けるようにして、それぞれの脚の付け根から先端まで1本づつしごくようにゆっくりと動かして掃除をしていました。

なかなか器用。担卵肢はかなり長く、付け根の関節の可動域も広いようで、全身くまなく手入れすることが可能なようです。

うまくできています。

ただ、ヤマトトックリウミグモの場合はオス、メス共に長い担卵肢を持っているから良いのですが、他の種類ではメスが担卵肢を持たなかったり、極端に短かったりする場合もあります。そういった種類ではどのように体を掃除しているのでしょうか?

あ~、また新たな興味がわいてきました(笑)

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