先日、小さな岩の付着生物を観察していて小さなヒドロ虫を見つけました。
ヒドロ虫はクラゲやイソギンチャクなどと同じ刺胞動物の一群です。
繊細な姿をしている種類が多いので、目立たないけれどなかなかきれいです。このタマウミヒドラは、鬼の金棒か食虫植物のようですね。
ハナヤギウミヒドラです。この種類はヤギやウミトサカなど他の刺胞動物の表面に共生することが知られています。
よく見ると、ポリプ(個虫)の形が少しずつ違っているのがわかるでしょうか?この種類はポリプが機能分化して形態が大きく変化しているので、それぞれの紹介を簡単にします。
・ボーリングのピンのような、触手を持たない栄養ポリプ(自分では餌を捕まえられない)
・20本ほどの触手を持った大型の指状ポリプ(餌の捕獲担当、口を持たず栄養ポリプに餌を与える)
・糸状の指状ポリプ(防御担当)
・生殖ポリプ(繁殖担当)
ヒドロ虫の仲間では、このようにポリプが機能分化する種類がいくつかしられていますが、興味深い生態ですね。
元々は一つの卵から生まれたものが、無性生殖でポリプの数を増やしつつ機能分化するのです。