先日、イトマキヒトデの腹側はなぜオレンジなのですか?とのご質問を頂きました。
お、これは、なかなか返事に窮する質問ですね。
確かにイトマキヒトデの腹側は鮮やかなオレンジ色をした印象が強いですよね。でも、実はイトマキヒトデに限らず、多くのヒトデで体色は(特に腹側)淡褐色からオレンジ色、赤色をしている場合が多いのです。その中で、とりわけイトマキヒトデの腹側の色が強く印象に残るのは、背面が緑や青など濃い色をしているので、その対比で目立つからではないでしょうか(補色効果)
このヒトデの赤、オレンジ、黄などの色はカロチノイド系の色素によるもので、この色素がタンパク質と結合すると青、緑、紫などに変化するそうです。
イトマキヒトデの背面が濃い色をしているのは身を隠す意味もあると思いますが、カロチノイドは抗酸化作用が高いことが知られているので、ヒトデ自身の健康を保つ役割もあるんじゃないかと個人的には予想しています(真偽不明)
こちらは当館で飼育している結構大きなイトマキヒトデのイトちゃん(輻長72㎜:盤の中心から腕の先端までの長さ)
で、こちらはマッキー。鳥羽水族館最大(輻長80㎜)です。
あ、名前は今、適当に付けました(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】