先日、磯で採集してきたホンダワラコケムシに ウミグモがまとまって付いていました。
脚を広げても5㎜ほどの小さなウミグモで、どうやらホソウミグモ科Anoplodactylus属の一種のようです。
このウミグモという小さな生物は、クモに似ていますが海産の節足動物の1グループ(ウミグモ類)で、いわゆるクモの仲間ではありません。
ヒドロ虫やイソギンチャク、貝などの体液を吸って餌にしているようですが、実際は摂餌の観察例は少ないようです。
そのため何を食べているのか特定されている種類は多くないようです。
今回、採集したウミグモは海藻のようなホンダワラコケムシの中で多数見つかり、その中には成長途中のまだ若い個体も含まれていました。
おそらくホンダワラコケムシをねぐらと餌にしながら成長しているのではないでしょうか。
それにしても、ウミグモは細い脚ばかりで写真に撮りにくい…ピントが合いにくいな。
コイツ本当にホンダワラコケムシを食べているのか…?
確認するためウミグモをシャーレに取り分け数日絶食状態にしてみました。
そして、本日そのシャーレにコケムシを入れてみたところ…おぉ!頭部にある小さな鋏肢(カニのハサミのような)でコケムシの個虫をつかむと、吻(口)で中身だけ吸いはじめたではありませんか!
私はウミグモの摂餌シーンを初めてみました。
コケムシの個虫を…プラ容器に入ったゼリーかトコロテンをそのまま吸いこむような感じで食べています。
(その時の画像↓…ボケておりますが。いや、ウミグモの撮影はホント難しいのよ)
これは仰向けになったウミグモを腹側から撮影しております(上画像)
頭(口)は画像の右側にあります。
透明な体を透して見える消化管が餌の色に染まる様子が、肉眼ではよく見えました。
餌がわかれば飼育に道筋ができる。今度はこのウミグモを長く育てていきたいものですわ。
今回のウミグモ、ズングリツマリウミグモ(上画像)に似ているかな、と思ったけれど…脚の形が少し違うような…
ということで、現在、種類を調査中です。