昨日、深海底曳き網漁船に乗船させていただき、生物採集に行ってきました。色々と面白い生物が採集できたのですが、その中の一つ。
前回の乗船時には採集できなかった、これ。
大きな個体だと、盤の中心から腕の先端まで(円で言えば半径に相当)40㎝にも達する、日本最大のヒトデ 類 ダイオウゴカクヒトデ Mariaster giganteus です。
もっとも、腕がひょろっと長いのであまり巨大ヒトデという印象は薄いのですが、サイズから言えば間違いなく日本最大サイズ。
あまりに大きく網にかかると取り外しに手間取るので、底曳き網にかかると、漁師さんに腕を切断されてしまうことが多いようです。
完全な形で採集するのが困難なヒトデです。
この個体も無残な姿…
弱って展示には使えないのですが、一応、記録標本用に2個体持ち帰って予備水槽に入れようとしたとき、腕の付け根に何かが付着していることに気がつきました(矢印)。
ヒトデに付く寄生貝です。
大小2つ付着しています。
ぬぉぉ!深海のヒトデに寄生する貝なら貴重で高価かもしれない…と欲に目がくらみ(笑)、本日、期待して貝の販売担当者に種名と価格をたずねてみたのですが…
どうやらウラシマカタベという種類のよう。
大きさの違いは雌雄ペアだからそうです。
で、肝心の価格は、期待外れに安く…(笑)
それほど珍しい種類ではなさそう。
あらためて貝販売担当者に教えてもらった図鑑を確認してみると、確かにこの貝はダイオウゴカクヒトデに外部寄生すると記述されていました。
ん~よく見るときれいな貝ですね。
雌雄ペアで隣り合っているのも何となくロマンチックです。
(…あ、ヒトデが弱っていたので、先ほど一緒に標本にしてしまいましたが)