フンボルトペンギンは今換羽(かんう)の真っ最中です。全身の羽を新しくするには多くのエネルギーが必要で、換羽前のペンギンはすごくエサを食べます。
私達は1人で56羽にエサをあげます。1羽ずつ順番にあげますが、換羽前で多くのエサが欲しいペンギンは待てません。私達の足をつついて、早くちょうだいとアピールします。換羽の時期でなければ痛みもなく放っておけます。換羽前は違います。(人間がつねるように)足をくわえてひねっているのではないか、というように痛みます。
特に強くかむのがチーズ(1, 2枚目)です。でも私はペンギンに教えてあげたい。痛い思いをさせられるペンギンには、決してエサをあげないことを。人情としてもそうですし、その時にエサをあげて、これでエサをもらえるとペンギンが覚えてしまうと困るからです。不思議なのは、なぜペンギンが足をつつくことを覚えたか、という点です。過去につつくとエサをもらえた経験があるのか、あるいは怒りの表現か?
余談ですが、鳥羽生まれの最年長のルル(3枚目)も足をつつくことがあります。ルルがつついてくると、今日もつつくほど元気なんだ、と私はほっとします。飼育係も勝手なものです(長谷川)。