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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オウムガイのウオジラミ

ウオジラミの仲間の多くは浅海を泳ぐ魚類に寄生します。

水族館では魚類寄生種は基本的に駆除の対象になるので、展示生物として目にする機会はほとんどありませんが、オウムガイに寄生する珍しいウオジラミの仲間 Anchicaligus nautili (アンキカリグス ナウティリ)が、入館したばかりの個体から見つかることがあります。

寄生されてもオウムガイ生体にはあまり影響はないようで、しばらく放置しておくと自然に消滅します。

顕微鏡で見るとこんな姿。

ウオジラミ類で唯一、レンズのある大きな眼を持った特徴的な姿をしています(矢印)。

光を感知する機能は何か生態的な意味があるのでしょうか。気になります。

本種 は1896年にオウムガイ研究者 Willey によってニューギニアのオウムガイから発見されました。

学名(種小名)に nautili と表記されるほど、オウムガイ(Nautilus)と密接な関係にあるようで、ニューギニアのオウムガイ以外にもニューカレドニアのオオベソオウムガイや、パラオのパラオオウムガイからも寄生報告があります。

水族館で私が確認したことがあるのは、フィリピン産のオウムガイからだけなので、遠く離れた別種のオウムガイ類に寄生する Anchicaligus nautili  が果たして本当に同じ種類なのか、ひそかに気になっています(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

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