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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ダイオウグソクムシ№19

昨日、ダイオウグソクムシ№19の死亡を確認しました。

まだ若い小型個体で全長は16㎝、2013年9月入館時の体重は160gでした。

この半年ほどは餌を食べていなかったのですが(これはダイオウグソクムシでは普通のこと)死亡時の体重を測定したら…

258g…№19は脱皮はしていないので体のサイズは大きくなっていません。それなのに体重だけが90g以上増加とは…

先日の飼育日記でも№13、14の体重が増えていて(水太り?)と書き込んだばかりですが…

 

【画像注意】

一枚だけ解剖写真をアップします。閲覧注意してください。それほど気持ち悪いものではありませんが…

 

 

組織の状態はこれまででいちばん状態良い(きれい)と思えるほど。消化管は全くの空でした。

画像左から中腸腺、消化管(胃…白い組織)、消化管(腸…赤い組織)

ダイオウグソクムシの消化管は途中がくびれていてヒョウタンみたいに大きな膨らみが2つあるのですが、それぞれのふくらみが胃と腸にあたります(機能的には胃と腸だと思うのですが、呼び名が正しいのか不明)

同じサイズだったメスの№20の生殖腺がやや発達して卵が確認できたのに対して、№19の精巣はまったく発達していませんでした。

それと腹腔内の体液。

№1を解剖した時にも飼育日記で紹介しましたがaquarium.co.jp/diary/archives/9700

体内にある時は水のように透明な液体が体外に出たとたん青く変色してゼリー状に固まりはじめます。

わずか数分でワラビ餅ほどの硬さになり、指で簡単につまめるほどです。

この体液も不思議です。

例えば、カブトガニの体液はごく微量のグラム陰性菌に対して凝固する性質が知られていて、この反応は医療現場で利用されています。

このダイオウグソクムシの体液は空気に触れて凝固する反応のように思えますが、もしかしたら細菌に反応している可能性もあるかもしれません。

【飼育研究部 森滝丈也】

 

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