外部サイト移動へのご注意

予約・購入サイト「Webket」に移動します。
よろしいですか?
いいえ

鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ガザミフジツボ

伊勢志摩の海ゾーンのイカ水槽に大きなフジツボが付着させたガザミが1個体います。

付着しているフジツボはガザミ類(ワタリガニの仲間)に多く見られる「ガザミフジツボ」という種類。

よく見ると右のハサミにもいますね。

 

今夜はこのフジツボを日記ネタに…

こいつは生きたカニの甲羅に付着して生活する種類ですが、似た生活様式のフジツボにはウミガメの甲羅に付着する「カメフジツボ」がいます。

実は、両種は姿形が異なることから長らく別種だと考えられてきました。

ところが…研究者が遺伝子のレベルで調べてみると…どうやら両種は同じ種類であるとの結果が出たそうです…

私も最近このことを知って驚きました。

 

ところで、マナティーの体表に付着する「マナティーフジツボ」という種類もいるのですが、どうやらこれも同種の可能性が高いそうです…

このフジツボは、付着する相手によって形態が変化するようです(驚)

 

一方のハサミに付着する個体の周囲には、小さな個体が付着しています。

これは矮雄と呼ばれる小型の個体です。

基本的にフジツボ類は雌雄同体で、近隣の個体がお互いにペニスを伸ばして交尾して繁殖しますが、このガザミフジツボ(カメフジツボ)の場合は、違った繁殖戦略を取っています。

自らの成長を抑えて精子提供にだけ特化した小型個体(矮雄)が現れるのです。

例えば、チョウチンアンコウなども同じ繁殖戦略ですね。

面白いなぁ。

 

もう1つ。このガザミはアブミウスエボシもたくさん付着しています。

フジツボとエボシガイの仲間、地味ですが結構好きです。

Share