先日、熊野灘の水深200-300mで採集した種類不明タコ。
時間を見つけて調べてはいるんですけどね、体が柔らかなタコは分類形質が少ないこともあって、種類判別はかなり難航…
正直言って「沼」、底なし沼だわ。
体色が変化しても現れる褐色の斑紋が印象的。
眼の上の突起も特徴かな。あとは相対的に大きな目とか。
さて。
すでにお気付きの方もおられるかとは思いますが、このタコ氏、左側の腕が4本ほど大きく欠損しています。加えて右側の腕も先端がなくなっています。
想像するに、深海で何者かに襲われたのかも。
大けがをして、見つけた海底のゴミ(ウナギ捕獲用モンドリ)の中に潜り込んでいたのでしょうか。
でも、避難先でしっかり養生できたようで、採集したときには既に左側に小さな腕が4本再生していました。
なかなか再生力が高く、タフなコですね。
今は、ヘんな生きもの研究所のアパート水槽で暮らしています。
状態は安定していますが、普段はクマサカガイの下に隠れていてほとんど姿を見せてくれません。でも元気ですよ。
先日はムキアサリとマアジの切り身も食べました。
【飼育研究部 森滝丈也】