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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ヒラアシクモガニのWエビヤドリムシ

ヒラアシクモガニのWエビヤドリムシ

先日の底曳き網で水深150mからヒラアシクモガニを1匹採集したのですが、残念ながら水面に引き上げた時点で死んでいました。
それでも大事に水族館に持ち帰ったのは、甲らの左側がコブ状にふくれていたからです。
このコブの中にエビヤドリムシの一種 Scyracepon sp.が見つかることがあります(今のところ未記載種)。私はこれまでに本種を4回採集しています。
エビヤドリムシの仲間はダンゴムシやダイオウグソクムシと同じ等脚類で、エビやカニの背甲の鰓腔内に寄生して暮らしています。
カニにとってはちょっと迷惑な存在かもしれませんね。
こちらの画像は以前に採集した個体(メス)ですが、右側(“腰”のあたり)に小さなオスがいます。
通常はヒラアシクモガニに1個体に対してメス1個体(+オス)が寄生していますが、今回は何と左右の鰓腔に1個体ずつ寄生していました。これは初めて見ました。
珍しい事例だと思われるので、ひとまず記録しておきます。
【飼育研究部 森滝丈也】
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