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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

1年前、ヤマトゴカクナマコのようなナマコを見つけました

1年前、ヤマトゴカクナマコのようなナマコを見つけました

飼育開始からちょうど1年経過したのを機に、遅ればせながらの新入り紹介です。

現在、へんな生きもの研究所のアパート水槽で飼育中のヤマトゴカクナマコPentacta nipponensis(ヤセオコゼと同居)です。

「飼育している」とは言え、普段は岩の下に潜り込んでいるので全く姿を見せません。

この個体は水族館前にある海水取水口付近で採集されたものです。

本種は1902年に相模湾で採集された4個体を基に1938年に新種記載されましたが、学名がnipponensis(日本産の)という割に、それ以降の採集記録がほとんど見当たりません。

ざっと調べた限りですが、相模湾の4個体以外は、2015年に瀬戸内海で2個体が採集された報告ぐらい(この時、ヤマトゴカクナマコの和名が付きました)。採集記録が少ないのは個体数が少ないからではなく、目立たないからだと思いますが…

ひとまず現時点では三重県内からの採集記録は見当たらず、今飼育している個体が三重県初記録になるかもしれません。

ただし、ナマコ類を正しく同定するには、体壁中の細かな骨片の形状を見ないといけません。今回の個体は外形から判別しただけなので、いつの日かお亡くなりになった時にきちんと調べて、正しくヤマトゴカクナマコと判明すれば、三重県初記録として報告したいと考えています。

ちなみに今は元気です。

【飼育研究部 森滝丈也】

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