今、へんな生きもの研究所では、2021年に和歌山県新宮沖の水深200-500mで採集した、小さなイソギンチャクをひっそりと飼育しています。採集当時の大きさ(盤の直径)は1㎜ほど、肉眼で何とか存在が確認できる幼若サイズでした。
若すぎて種の特徴がはっきりせず、正体不明のまま3年ほど飼育していましたが、今はすっかり成長しました。
その姿を見ると、どうも、昨年新種として公表されたばかりのイチゴカワリギンチャクの姿に似ています(広島県、福山大学のI博士が記載)。
そして、このイチゴカワリギンチャク?の2つ隣の水槽には、もう1種、ラベルなしのイソギンチャクがいます。
こちらは去年の5月に尾鷲沖で採集したものですが、どうもイチゴカワリギンチャクと同じ論文内で新種記載されたリンゴカワリギンチャクによく似ています。
ひとまず今は、両種ともラベルなしのまま展示しているのですが、果物だったらイチゴとリンゴはちょうど今頃、秋から冬あたりが旬。これはもう「イチゴカワリギンチャク」「リンゴカワリギンチャク」と名乗っても良いでしょうかね、Iさん(笑)
(実際は、イソギンチャクの仲間は解剖するか、DNAを調べるかしないと種類を特定するのは難しいようですが)
そんな2種のカワリギンチャク。
へんな生きもの研究所内、アパート水槽で飼育しているので、興味がある方はぜひ見に来てください。
【飼育研究部 森滝丈也】