先日、伊勢志摩の海ゾーンにある水槽の中を多数のマンカ幼生が泳ぎ回っていたので回収しました。
タイノエはダンゴムシと同じ等脚目、ウオノエの仲間です。普段はマダイやチダイなどの口腔内に寄生して、口の中で成熟すると、子ども(マンカ幼生)を海中に放出します(画像は幼生を孵出した個体ではありません)
正規の展示生物という訳ではありませんが、個人的にウオノエ類の生態に興味があるため、この水槽ではチダイと一緒にタイノエを飼育しています。
生まれたばかりのウオノエ類のマンカ幼生なんてなかなか見る機会がないと思うので、飼育日記で紹介させてください!(無理やり…)
おぉ!タイノエのマンカ幼生をこんな風に拡大して見るのは私も初めてです!どうやら体に散在する色素胞の大きさを変えることで、体色変化が可能なようですね。立派な複眼が格好良い!
自然界では幼生は宿主となるマダイなどの幼魚に取り付くと、その後は口腔内で成長して一生を終えます(最初に取り付いた個体がメスに、2番目の個体がオスになります)。
成長したメス(左)とオス。成長するにしたがい、複眼は退化します。
水槽の中では新たな宿主に寄生させることはしませんが、今回はタイノエのマンカ幼生の格好良い姿に感動したので、紹介させてもらいました。
【飼育研究部 森滝丈也】