そう言えば、先日のイッスンボウシウロコムシを見つける数日前に、別の水槽で底砂の表面を這うイッスンボウシっぽいウロコムシを見かけて興奮した瞬間があったことを思い出しました。
その時は、え、こんな場所でイッスンボウシ!?と思いつつ回収しましたが、拡大してよくよく見ると…残念ながらイッスンボウシウロコムシではありませんでした。
それは以前、この飼育日記でも紹介したことがある、Lepidonotus属の一種だと思われるウロコムシでした。
本種は2020年の9月に和歌山県新宮沖水深200-500mで採集したものですが、基本的に泥岩のすき間からチラッと見かけることがほとんど。何かのタイミングでたまたま底砂の上を歩いていたのはラッキーなのかもしれません。
全体が褐色なので、もしかしたら地味な印象を受けるかもしれません。
でも、よく見れば「地下迷宮の蟲」感たっぷりで、なかなか渋い魅力があるんですよね。無骨な野郎系で、私は好きです。
今のところ、種名は特定できていませんが、せっかくの機会なので記録写真を撮っておきました。
何個体かいるので、水槽の中をよく探せば、渋い姿を見ることができると思いますよ。
【飼育研究部 森滝丈也】