熊野灘の漸深海帯から見つかり、去年3月に新種記載されたイッスンボウシウロコムシ。メスの背中に小さなオス(矮雄)が隠れる興味深い生態からこの種名が付けられました。
ところが、現在、飼育中の個体(№8)の背中にオスは乗っておらず、メスのみ…。肝心のオス(一寸法師)がいないとは、イッスンボウシウロコムシのアイデンティティーが揺らぎかねない事態です(笑)
そういうこともあって、新個体の導入が急務ですが、底曳き網採集に出かけてもなかなか見つかりません…。
ところが、今朝、水槽の見回り中。
ふと水槽を見ると、そこにイッスンボウシウロコムシがいるじゃないですか!イソギンチャクの体壁に付着していました。
おそらく、以前入館して、行方不明になっていた個体ではないかと思われます。過去2015年と2017年に入った個体が行方不明になっていますが、もしかしたらそのどちらかかも…
よくよく見れば、確かに背面のウロコが数枚脱落していて、老齢個体にも見えますが…
嬉しいことに、背中にオスがしっかり乗っているのを確認しました!(矢印)
これぞイッスンボウシウロコムシ。
さっそく、へんな生きもの研究所に追加展示しました。
【飼育研究部 森滝丈也】