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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

え!オオグソクムシが!

今年の夏休みはどういうわけかオオグソクムシやダイオウグソクムシに関する質問をたくさん受けます。

その中で一番驚いたのは、自宅でオオグソクムシを飼育している会社員の方からのものでした。

この方は5月下旬にペットショップでオオグソクムシを2匹購入したところ、7月下旬に1匹が抱卵しているのを確認したそうです。そこで孵化にあたって何か気をつけた方が良いことはないかと、たずねてこられたのです。

水槽内で産卵したとは驚きました。

実は、メスのオオグソクムシは交尾後に脱皮して、脚の付け根にある覆卵葉を大きく伸ばして腹に卵を守る空間を作ります。この空間に産卵し、孵化まで保護します(…などと、もっともらしく書きましたが、私は直に目撃したことはありません)

実は、いくつかの水族館でオオグソクムシの孵化の報告はありますが、いずれも深海から採集した時点ですでに抱卵していたもの(だったはずです)。私も産卵は実際に見たことがありません。

質問者は交尾自体は未確認だったそうですが、7月中旬の脱皮は確認していて、その後の産卵(抱卵)…。これはすごい。

孵化までどれぐらいかかるのか等、明らかになっていないことばかりなので、もし今回、実際に水槽内で交接・産卵したものなら、かなり貴重な事例になるはずです。

是非、孵化に成功させて欲しいです。(発生中の胚)

【飼育研究部 森滝丈也】

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