前回の続き、、、
ベテラン飼育員が持ってきたものは、普段は与えていない、イカでした。
ツララには好きなおもちゃがあります。
白い浮きのおもちゃです。
白い浮きに似たイカを見つけると、初めはあまり興味を示さなかったのですが、
次第におもちゃのようにして遊びだす動きが見られ、口に入れはじめました。
ぼくたち飼育員は前のめりになって、水槽のガラスに張り付きます。
「これだ!!」
イカを小さくして持っていくと、遊びながら食べだしたのです。
それをきっかけに、少しづついつものエサも食べるようになって、
治療や検査も行うことができるようになりました。
いまは食欲も戻ってきて、もりもりご飯を食べています。
日常の管理はもちろん大切です。
普段から生きものたちの体調を万全にサポートしていくのは当たり前のことですが、
どんなに気を付けていても、人も動物もいつかは死を迎えます。
寿命を迎える死に方が一番なのかはわかりませんが、病気や怪我はつきものです。
その時に、「何ができるのか」。
言葉では伝えられないほど、飼育員みんなで考え、行動し、学びを得ました。
今となっては、そんな学びの機会をツララに与えられたような気もします。
飼育員の一人前とは何なのか?
まだまだわからないけれど、自分なりの一人前の答えを探して、
この道を歩みたいと思います。
【いま】