今朝、久しぶりにオウムガイ(Nutilus pompilius)の交接を確認しました。
交接とはオウムガイの繁殖行動。向かい合わせになったオスがメスを抱えて精包を手渡します。
この精包の中には20-30cm程の長い精莢(せいきょう)が入っていて、その中に精子がつまっています(参考画像はオオベソオウムガイのもの)
交接時間は様々で、数分で終わる場合もあれば、24時間以上続く場合も。これまでの経験では、何となくですがオウムガイやオオベソオウムガイは比較的長時間であるのに対して、パラオオウムガイは短時間で終了するような気がしますね。
メスの口の下側には精包を受け取るポケット(ヴァランシエンヌ器官)があって、交接終了後に、ここを見ればオスから精子を受け取ったか簡単にわかります(オウムガイとオオベソオウムガイは頑なに触手を縮こませるので確認はかなり難しいですが)
さて。朝のミーティング後に確認すると、既に交接は終了していました。無事に精子がメスに手渡されたか気になってしばらく見ていると…メスがプッと小さなカスを吹き出しました!これはきっと精包のカスです!
さっそく回収して、顕微鏡で確認すると…ビンゴ!精莢の断片と動く精子が確認できました(毛のように散らばっているのが精子)
数日後には産卵するはずなので、うまく受精してくれれば良いのですが…
【飼育研究部 森滝丈也】