ミズダコは気性が荒く、複数で飼育すると争うことがよくあります。複数飼育する場合、当館ではほぼ同じサイズのオスとメスを同居させますが、この組み合わせだと上手くいくようです(オス同士だと相手がボロボロになるまでケンカをします)
さて。
先日お伝えしたように、抱卵中の母ダコだけとなったミズダコ水槽には、中サイズの若いメス個体を導入したわけですが(オスがいなかったので)
どうも母タコは急に現れた若いメスの存在が気になるらしく、卵から離れて若いメスに威嚇を繰り返していました。
相手をボロボロにするほどのケンカではないようですが、これでは卵のケアもままならない…
これは困った。
しかも、母ダコに追い回された若いメスは、置き去りになった卵(岩に産み付けています)に覆いかぶさり、この卵を食べているではないですか!(おそらく、パニックになって偶発的に口にしたのでしょうが)
このままだと全て食べられてしまうかも…(もしくは母タコが抱卵を放棄)
対応に少し迷いましたが、結局、彼女たちの平和的解決に期待して静観することにしました。
そして、ドキドキしながら迎えた翌日…。
どうやらお互いに自分のテリトリーを把握できたようです。
卵も大多数が無事でした。
今、母ダコは、それまで以上に熱心に卵の世話をしているように見えます。
一安心です。
【飼育研究部 森滝丈也】