熊野灘の水深300mで採集される小さなウニの一種 Prionechinus forbesianus (和名無し)。これまでに何度も紹介しましたが、鏡餅のように2匹が上下に重なる不思議な行動が水槽中で確認されています(これまでの観察で、下の個体がメス、上がオスだと判明)
このウニは餌である沈木の上ではほとんど移動しませんが、たまに激しく動き回ることがあります。
それはペアに単独オスが近づいてきた時。上に乗ったオスが近づいてきた単独オスを全力で排除しようとするのです。
私はこの行動をひそかに「ウニ相撲」と呼んでいます…
上から見るとこんな感じ。必死に追い払おうとしているように見えます。
また、時には下のメスが迫り来る単独オスから逃げることもあります。普段、ほとんど移動しないだけに逃避のスピードは尋常ではありません。ほぼ全速力?
今回もわずか30分の間にここからここまで移動しました。(その間、他の個体はほぼ動いていません)
ただ、今回は単独オスも乗っかったままだったので、メスはオス2匹を乗せたまま…
見るに見かねて、離れた場所にいた単独メスを近くに置いて小競り合いの収束を図りましたが、どうなることやら…
明日あたり、新しい「鏡餅」が誕生していれば良いのですが…
【飼育研究部 森滝丈也】