コーラルダイビングゾーンの水槽では、ここ数年、メスのニシキエビが潜水掃除のダイバーを執拗にハグする不思議な行動が観察されています。
普段はだいたい岩陰に隠れているのに突然スイッチが入ったかのように激変。
初めて確認したのは3年前の2014年8月。
その後毎年1、2回この行動が観察され、その後は決まって産卵(抱卵)します。
(ちなみに、ニシキエビは長期間単独飼育なので、卵は未授精…のはず)
さて。
先日の10月2日、私は宿直でした。
夜の見回り中に見ると、ニシキエビは濃褐色に変化した卵をしっかり抱えていました(写真は撮り忘れました…)
実は、およそ1ヶ月前、8月28日のハグ行動の後、31日に産卵(抱卵)を確認していました。うっすら見えるオレンジ色が卵。
どうやらニシキエビは9月中ずっと抱卵していたようです。
ところが宿直から4日後の夕方、水槽の前面を歩いていたニシキエビを目にして驚きました。
あれだけあった卵が、いつの間にかきれいになくなっているじゃないですか!
まるで一斉に孵化したかのような…
未受精卵であればもっとだらだらと少しずつ消失していく気がします。
…まさか。
また、調べてみると、亜熱帯域のイセエビ類は産卵から孵化までおよそ1ヶ月との報告が…
これって、もしかしたら…
ある可能性が頭をよぎります。
いや、まさか…
備忘録としてここに書き留めておいて、次回は要観察です!
【飼育研究部 森滝丈也】