今年もDコーナーにコブシメを展示しています。コブシメは全長50cmになる大型のコウイカの仲間で、普段はじっとしていますが、状況に応じて体色を変えるところが魅力的です。
攻撃的になると・・
お腹が減っていると・・
コブシメは冬に繁殖期を迎え、春頃に卵が孵化します。鳥羽水族館では、予備槽である程度成長した後、夏頃に展示水槽に引っ越ししています。
毎年コブシメが無事に引っ越しするとひと安心なのですが、ここから実はヤキモキすることが・・。それはコブシメのオスとメスが分からないこと。
コブシメはオスとメスで体の模様が違いますが、それは成熟してからです。コブシメを移動する夏頃は、まだまだ未成熟の段階でオスとメスの区別がつきません。
また、その模様の違いはオスのヒレや腕の先端だけに特徴的な縞模様が出てくるだけ。なので、縞模様が出てくればオス、出てこなければ未成熟のオスもしくはメスになるんですが、何ともはっきりしない感じなのです。
というわけで、展示水槽に出すとき、本当はオスとメスの比率を調整したいけど、選んだときの運に任せるのみ・・。
今年7月に引っ越した4個体もずいぶん大きくなり、最近実は3個体に縞模様が出てきました。
3/4がオスであることがほぼ確定し、残りはあと1個体・・。まさかのオスだらけではないことを願いつつ、まだまだヤキモキしながら繁殖期を迎えたいと思います。
【飼育研究部 つぼんぬ】