当館のダイオウグソクムシは人工海水で飼育しています。
塩のような「海水の素」を水道水で溶かして人工海水をつくるわけですが、夏場は水道水が25℃近くあって熱すぎる…
これを飼育温度の7.0℃まで冷やさなければいけません。
これまでは冷凍庫まで運んで冷やしたりしていましたが、水量が多く、なかなか大変。
ふと思いつきました。
氷を入れて作ればいいんじゃないかと。
案の定、バケツ4杯の氷と水道水を混ぜ合わせて人工海水を作れば、すぐに適温の人工海水(150ℓ)が完成!
あぁ、どうしてこんな簡単なことに気付かなかったのだろう(笑)
できあがった人工換水は150ℓ程度なので手っ取り早くバケツで水槽に汲み入れます。
こういう感じに換水作業が手軽に出来るようになったこともあり、この夏は週に1回、全水量の1/8ほどをこまめに換水するようになりました。
しかし、実際のところダイオウグソクムシの水質はそれほど悪くないので、実はここまで頻繁に水を換える必要はありません。
では、なぜ頻繁に換水しているのかと言うと…
それは、週に1回、オウグソクムシの飼育水を隣の水槽に分配しているからなのです。
分配先である隣の水槽は水温10℃ほど。
普段チョロチョロと出ている補給水は水温が高すぎるため、夏場は水槽の補給水は完全に止めています。
そこで、週に1回、ダイオウグソクムシの飼育水を分配する必要があるのです(高低差を利用してホースで海水を送っています)
このように、冷えた海水が貴重となる夏場は、無駄が無いよう使い回しています。
ところが、どうやらこの換水方法、ある生物に思いがけない効果を生み出したようなのです。
その効果とは…?
次回に続く
【飼育研究部 森滝丈也】