ヒトデに寄生する甲殻類(嚢胸類)シダムシ。
先日の土曜日は、今進めているシダムシ研究の仲間(チームシダムシ)と一緒にシダムシ研究の第一人者グライガ―博士の指導を受けるために琵琶湖博物館まで行ってきました(水族館業務ではありませんが)
午前中はシダムシの話を色々とお聞きして、昼からは貴重な文献の複写作業。フランス語やらロシア語やらドイツ語やら、眩暈がします…(笑)
でも、お話を聞いて、漠然としていたシダムシの体の構造がずいぶん理解できた気がしましたよ。
例えば、このモジャモジャしたものがアカヒトデのシダムシですが(ヒトデの種類によってシダムシの種類・姿が異なります)
これを見る限り、枝分かれした外套は柔らかく、外から体節構造は全くわからないので甲殻類には見えません。
ところが体の中に体節が残る部位があるのです。
ここに小さな口器と第1触角があるのです。
それを観察するため、グライガーさんに聞いたことを思い返しながら、昨日さっそくシダムシの解剖にトライ!
ミドルピースの腹側を下から口に向かって縦に切開していくと…
おぉ!ありました!
△の口器と第1触角が見つかりました。触角の長さは0.5mm程。
これまで何度かチャレンジしたことがありましたがうまく解剖できず、触角と口器の位置関係がよく分からなかったのですが、今回は何とか成功です(嬉)
やはりシダムシの体のつくりを自分なりにイメージできたからでしょう。
この第1触角はシダムシの種類を特定するために重要なポイントになるそうです。
よく見ると、シダムシのイモムシの脚のように並んだ、付属肢みたいなもの(矢印)もうっすらと確認出来ました(この画像では少しわかりにくいかも知れません)
確かに、グライガーさんからはこういったものも見つかることがあると教わりました。
こんな作業を繰り返すことで、シダムシをより深く理解できるようになっていくのでしょう。
頑張ります!
【飼育研究部 森滝丈也】