ウミサボテンは5つ目のポリプが出現しました。
ここまでくるとウミサボテンっぽく見えるなあと思っていた矢先のことでした。
朝出勤し、いつもの日課になった、朝一のシャーレ確認をしにいくと。。。
唖然としました。
変色してほぼ溶けてしまったウミサボテンがそこにはありました。
一つでも生きていないかと思いましたが、全滅。
この場で感情論は書きたくありませんが、、、
悔しい以外の言葉がありませんでした。
原因はおそらく水が悪くなり、それに伴い1群体が溶け出して、それと連鎖して全てに広がったのでしょう。
実は死亡前日、私は休みでしたが、気になって夕方様子を見に来ていました。
何故異変に気が付けなかったのか・・・。
あれをすれば、これさえしていればと後悔の念が駆けめぐりました。
しかも、繁殖の申請要項を全て整えたばかりだったのです。
正直なところ、この育成、飼育に成功したところで、私に何か儲けがあることはありません。
これは一般的なサラリーマンと異なる大きなポイントです。
飼育員と動物に利害関係が無いのは皆さんも納得かも知れませんが、一般的な仕事と比べると不思議かもしれませんね。
ではなぜ育成にトライするのか。
それは飼育員の持つ根本的興味とちょっとしたロマンだと思っています。(あくまで個人的感想)
産卵の形態はどういうものなのか気になる。
繁殖の過程がわかっていないものが、少しずつ成長していく様子を見てみたい。
単純ににこういう気持ちだけで動いています。
水槽の中には皆さんが想像できないほどの変化があります。
個体の成長であったり、産卵であったり、状態の悪化であったり。
それらに気が付いて何かするのは飼育員しかいないので、
原動力となる、「興味とちょっとしたロマン」を持ちながら、またトライしようと思った次第です。
飼育研究部 辻 晴仁