先日、水槽で死んだ深海性のヤマトホシヒトデを回収しました。
シダムシ探しのため、ヒトデはひとまず解剖をして中身をチェックすることにしています。
おそらくこのヒトデにはシダムシは寄生していませんが、代わりに珍しいアイツが寄生しているかも。
それはスイクチムシ。
…まさかのスイクチムシ・ネタ2連投です。そろそろ誰かに怒られるかもしれません(笑)
実は、スイクチムシの仲間は世界から170種ほどが報告されているそうですが、そのほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生するもの。
わずか12種類ほどがヒトデ類・クモヒトデ類に寄生し、このヒトデ の内臓(幽門盲嚢)にもスイクチムシの一種が寄生することが知られています(未記載種)
でも私はまだ実物を見たことがありません。
最近、このスイクチムシの存在を知り、いちど見てみたいと思っていました。
解剖してすぐに見つかりました!
ウミシダに寄生するものとは異なる印象。
体内に寄生しているからでしょうか、妙にやわらかい、と言うか ゆるいゼリーのような質感。
こちらは腹側からみた画像。
炭火で焼いたら美味しそうな…
結局、見つかったのは1匹のヒトデから4匹のスイクチムシ!(もう1匹のヒトデはハズレでした)
嬉しくて思わず手のひらに並べてみたり…
こんな姿をしてゴカイの仲間だとは…スイクチムシも本当にへんな生きものです。
【飼育研究部 森滝丈也】